お知らせ&ブログ

2025年05月07日
ブログ

スターチスのおはなし

日頃より当BLOGをご覧いただきありがとうございます。

今週はGWですっかり疲弊したTachyが担当いたします(期間中に1,000㎞超運転しました)。

 

広域連の周辺はすっかり雪が解け、府県から1か月遅れの桜も終盤を迎えています。

さて、タイトルの通り、今回は北空知のメイン品目『スターチス』についてお話をしていこうと思いますが、その前に基礎知識として少し。

 

(以下、私の拙い知識に依るため、間違いがあったら申し訳ありません)

植物の学名は、一般的なものとして(科)+【属名】+【種小名】+(命名者)+【品種名】であらわすことができます。

例えば、アジサイの品種である「アナベル」を簡便に学名で表現すると、Hydrangea arborescens ”Annabelle” となりますが、

Hydrangea(ハイドランジア:アジサイ属)が【属名】、arborescens(アルボレスケンス:アルボレスケンス種)が【種小名】、”Annabelle”が【品種名】をそれぞれ示しています。

日本語で表現すると、(アジサイ科の)アジサイ属のアルボレスケンス種のアナベルという具合ですね。

 

そして、スターチスは【属名】Limonium(リモニウム)。

 

さて、当地で栽培されているスターチスを大別すると、①シヌアータ②宿根スターチス③シネンシス系スターチスの3種類です。

①は【種小名】sinuatum(シヌアツム)でシヌアータ種を表し、越冬が難しいため1年草として扱われます。ニュアンスカラーのような中間色を含め、多様な色の品種があります。

学名では L.sinuatum “品種名”と表記されます(L.Limoniumの略)

 

②は<ハイブリッドスターチス>と呼ばれ、【種小名】caspia(カスピア)やlatifolium(ラティフォリウム)などの交配によって作出されたもの。ハイブリッドとは『雑種』のことです。宿根性(耐寒性の強さ)にフォーカスを当てて育種されていることから宿根スターチスとも呼ばれ、【品種】チャームブルーなどのように1年の決まった時期にしか開花しない(一季咲き)タイプと、【品種】ブルーファンタジアなどのように一定の温度が確保されれば次々と開花する(四季咲き)タイプがあります。色は紫系が主体です。

学名は L.×hybrid  “品種名”   とでもなるのでしょうか(正解かどうかわかりませんが…)。

③は、これも②と同じハイブリッドタイプなのですが、交配親となる原種の生息地が台湾や中国大陸であることから、区別して『シネンシス』と呼んでいます。ただ、種苗を取り扱っているメーカーさんによっても呼び方が異なるようで、『リモニウム ニューハイブリッド』や『チェリーブロッサム』と表記しているところも。【種小名】はあまり表に出ていないのでよくわかりません。特徴は耐寒性の強い品種が多いことと、宿根スターチスにはないガク色の豊富さです。白・黄・ピンク系の品種がメインとなりますが、オレンジ系やアプリコット系、また最近ではニュアンス系の品種も出てきています。

ちなみに、当地では『シネンシス』といえばシネンシス系のスターチスのことを指しますが、デルフィニウムなどにもシネンシス系があるため、実は固有の呼称ではありません。

 

少しは当地のスターチスのことが伝わったでしょうか?かえって混乱させてしまったら申し訳ありません。また気が向いたら他の花についてもご紹介したいと思います。

 

<おまけ>

Shira課長からMiya係長へ     愛のある(?)指導風景

文責:Tachy